ミーティング内容やホワイトボードの要約機能を提供するAIコンパニオン
Zoom社は2023年のバーチャルイベントZoomtopiaで医療業界や規制業界向けにAIコンパニオン機能を展開することを発表しました。例えば、会議に後から参加した人が、それまでの議論について要約を見たり、質問に自動で回答を得たりすることができるようになります。Healthcare IT NewsがZoomの医療業界向けAI機能について解説しました。
ZoomのAIコンパニオンは、オンラインミーティングやチャット、ホワイトボードといったツールから利用可能です。ホワイトボードの内容をAIが要約したり、アイデアを分類したりする機能が含まれています。また、Zoomミーティングでは、自動でハイライトを作成する、あるいは、自動で章立てを作る機能が提供されています。
機密性の高い顧客情報に配慮しながら、複数の言語モデルを統合する仕組み
規制業界では多くの機密情報が扱われていますが、Zoom社は、同社独自の大規模言語モデル(LLM)や、他社が提供する言語モデルの学習のために、顧客情報を用いないことを利用規約へ含めるようになりました。医療データのセキュリティやプライバシーに関する米国の規制であるHIPAAへの遵守に取り組むなど、医療業界の顧客が規制に準拠できるようZoom社は対応を進めています。
ZoomのAIコンパニオンは、複数の(LLM)を組み合わせて構成されています。同社独自のモデルに加えて、OpenAI社やメタ社のモデルを統合し、精度の高い回答が得られるようになっています。
法令順守が必要なユースケースでもZoomのAI機能の利用が広がる
Zoomは、既にオンライン診療やデジタルヘルスの分野でも普及が進んでいます。医療業界の顧客企業が、適切に設定を行えるようカスタマイズしたり、異なるユースケースに対応できるようニーズに応えたりする施策が見受けられます。
ZoomのAIコンパニオンは、オンライン会議の前後で日常的に行われる作業を効率化したり、ホワイトボードにおける要約や分類のように、生産性を向上するのに役立ったりすることが期待されています。
まとめ
Zoomはセキュリティやプライバシーに配慮しながら、AI機能を高度化するよう、投資を続けています。これまで導入を控えていた規制業界でも、生産性向上を図るツールが普及していくかもしれません。
参考資料
https://www.healthcareitnews.com/news/zoom-offers-more-ai-features-healthcare-organizations
著者:Takayuki Sato