ウェビナー

AIが変えるウェビナー運用

ウェビナー活用の潮流は変わった

ウェビナーは、B2B企業におけるリード獲得や商談化の重要な手段として定着しました。しかし、多くの担当者が抱える悩みは「準備や事後対応に時間がかかる」「少人数体制では対応が難しい」というものです。こうした課題を背景に、Zoomが2024年に発表した AI Companion 2.0 は注目を集めました。

リリースから1年が経過した現在、北米ではすでにこの機能が実務に組み込まれ、効率化と成果創出の両立を実現する事例が増えています。一方、日本ではまだ十分に活用されていないのが現状です。本記事では、北米の活用実態とそこから得られる日本企業への示唆を整理します。

北米での活用実態

リアルタイム要約と行動アイテム抽出
北米の大手企業では、ウェビナー終了直後にAIが自動生成した要約と「次に取るべき行動リスト」を営業部門に渡すフローが一般化しています。従来は数日かかっていたレポート作成が即座に完了することで、営業が「翌日には商談化」に動けるようになり、スピード感が飛躍的に高まりました。

Q&Aや投票の自動整理
中堅企業やスタートアップでも、少人数体制で多くの質問やアンケートに対応するため、AIによる自動分類・要約が重宝されています。質問内容は次回以降のテーマ設計にも反映され、PDCAが短期間で回せるようになっています。

オンデマンド配信とスコアリング
北米では「AI要約付きオンデマンド録画」をすぐに公開し、視聴データをスコアリングして営業へ渡す事例が増えています。参加者が録画をどこまで見たか、どの資料をダウンロードしたかといった行動が数値化され、Hot/Warm/Coldのリード分類に直結します。

投資効果の明確化
Zoom自身も「Total Cost of Ownership(TCO)」の考え方を提示しており、ライセンス料だけでなく工数削減や営業成果までをROIで示す流れが浸透しています。北米企業では「AI導入で年間○時間削減」「Hotリード創出数が○倍」という成果を社内に提示し、経営層の支持を得ています。

日本での現状と課題

日本ではZoom自体は広く使われているものの、AI Companion 2.0 の利用は限定的です。理由としては、

「どの業務にどう適用できるのか」が具体的に理解されていない
少人数体制の企業ほど、新機能の設定や運用法に時間を割けない
AIによるデータ処理に対するセキュリティやプライバシー懸念

といった点が挙げられます。その結果、「便利そうだが実務でどう使えばいいか分からない」という状況が続いています。

日本企業が取るべき活用法

小規模実証から始める
まずは1回のウェビナーで「AI要約+フォローアップ自動化」を試し、どれだけ工数が削減できるかを可視化する。

営業連携を前提に設計する
AIが抽出したHotリードを即時に営業部門へ渡す体制を整え、成果につなげる。

オンデマンド化で二次利用する
録画にAI要約を添えて公開し、追加の視聴データをマーケティングに活用。1回の配信を継続的なリード獲得施策に変える。

社内規定やセキュリティを整備する
参加者データをAIが処理するため、情報システムや法務部門と連携し、利用ルールをあらかじめ定める。

まとめ

北米ではすでに「AI前提のウェビナー運用」が当たり前になりつつあります。日本ではまだ普及が進んでいませんが、導入効果を小さく試し、成果を数値化して社内に提示することで、一気に展開できる可能性があります。AI Companion 2.0 を活用すれば、限られた人員でも効率的にウェビナーを回し、商談化までをスピードアップする仕組みを作ることができるのです。

出典

AI Companion 2.0 launches, helping to transform work and get more done


https://its.umich.edu/communication/videoconferencing/zoom/update/new-ai-companion-features-zoom-webinars
https://www.zoom.com/en/blog/zoom-total-cost-of-ownership/
https://www.reuters.com/business/zoom-lifts-annual-forecasts-robust-demand-amid-ai-push-2025-05-21/

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