登録してから視聴できるまでの時間を短縮させる
ウェビナーの参加率は平均して46%にとどまるという調査があります。ウェビナーの宣伝を行い、ユーザーが登録するところまで促したとしても、最終的にコンテンツが閲覧されなければ、キャンペーンを実施した効果が十分に得られないでしょう。デジタル戦略を専門とするAaron Brooks氏が、ウェビナー参加率を20.56%から75.62%まで改善させた方法について解説しています。
同氏は、ユーザーが登録した直後にウェビナーを閲覧できるよう、30分ごとに視聴できる「ジャストインタイム方式」が奏功したと述べました。視聴意欲が高まっているのは登録直後であるにも関わらず、登録から視聴まで時間があいてしまうと、その意欲も減退してしまいます。週に3回放送する計画から、オンデマンドに近い環境でコンテンツを視聴できるよう変更したのです。
「今すぐアクセス」のCTAと、開催前の資料配布で視聴意欲を高める
30分ごとに放送するのには他の理由もあります。ウェビナーに参加する際には、必要に応じてメモをとるノートを用意するなど視聴環境を整える必要があります。適切な準備の時間がとれるため、ウェビナー参加率の向上に寄与します。また、登録画面において「今すぐアクセス」というCTA(コールトゥアクション)を加えることで、それを失いたくないという心理にさせ、視聴意欲をかきたてるという効果も期待されます。
登録者に対しては、ウェビナー開催前にEメールを送付し、無料の参考資料を配布しました。Brooks氏によると、参加率の上昇と共に、ウェビナーを最後まで視聴する人の割合も向上するという成果につながりました。
参加率の高いウェビナーは、繰り返し視聴するユーザーも多い
興味深いことに、ウェビナー参加率の向上と共に、同じウェビナーを繰り返し見る視聴者の割合も高くなりました。そこで、ウェビナー終了後には、もう一度最初から視聴することを促すポップアップを表示する仕組みを導入しています。ポップアップがなければ、そのまま離脱していたであろう人にも興味を喚起し、視聴数の向上につながりました。
まとめ
Brooks氏は、わずか1年の間に、業界平均未満から、それをはるかに上回るまでウェビナー参加率を向上させることに成功しました。ウェビナーの自動化ツールを導入し、30分ごとに放送するという細かい設定ができたのが、成功の大きな要因の一つとなっています。今は十分な成果が得られていないキャンペーンでも、視聴者の利便性や心理を理解すれば、パフォーマンスを改善できる可能性がある点が示唆されています。
参考資料
https://www.ventureharbour.com/boost-webinar-attendance-rate/
著者:Takayuki Sato